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研究・社会貢献
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科学研究補助金 CaseStudy 6


腎保護物質の探索

生体機能化学ユニット教授 飯島洋
腎臓は体内の水分を一定に保つ機能を受け持つ臓器です。血液中の老廃物の排泄、血圧の調節などにも関わっています。生命の維持に必要不可欠な腎臓ですが、近年は生活習慣病などを原因として腎臓の機能障害を引き起こす患者さんが増えつつあります。腎臓の障害は時間をかけて進行しますが、ある程度以上の機能障害を受けてしまうとその機能は回復が出来なくなり、数年後には透析を開始することになります。そして、腎臓透析は、医療費としても、患者さんの生活の質にも、大きな負担となっています。

腎臓が障害を受けると、それを中枢が感知して、常に自律神経系が興奮状態となり、血液のノルアドレナリンの量が増える事は昔からよく知られていました。近年、血中のノルアドレナリンの濃度が高い透析患者さんの死亡リスクが高い事が報告されました。ノルアドレナリンは血圧を上昇させたり、血管を緊張させたりする物質です。そこで、私たちは腎臓の障害が少しずつ悪化してゆく病気のモデル動物を用いて、腎臓機能の低下と体がノルアドレナリンを分解する能力の低下が連動していることを突き止めました。その原因は、ノルアドレナリンを分解するCOMTという酵素の活性が低下しているためであると考えられました。

そこで私たちはCOMTの活性を向上させれば腎臓の機能障害の進行を遅くさせることが出来るのではないかと考え、そのような物質の探索を行っています。研究方法としては、遺伝子組換え、高速液体クロマトグラフィー、計算機を活用した分子設計などを活用し、論理的な創薬研究を目指しています。このような物質が、障害を受けた腎臓の機能低下の進行を抑えることが出来ることを夢見て研究に取り組んでいます。


COMTによってノルアドレナリンはメチル化(赤)されて、作用を失います。COMTの活性が低いと血中のノルアドレナリンの量が増えると考えられます。
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