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研究・社会貢献
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科学研究補助金 CaseStudy32


薬剤師に関わるディスコミュニケーションの研究
―ヒューマニズム教育構築に向けて―

医療コミュニケーション学研究室 教授 亀井美和子
在宅医療を受ける患者への対応、難病やがんなどの重症疾患患者への対応など、薬物療法の進化とともに薬剤師の職域は拡大しており、薬学的専門知識に加えて対人援助力を身に付けた薬剤師を養成することが求められています。そこで本研究では、対人援助力向上のために必要な学習内容を倫理学、精神医学、臨床心理学、社会薬学の側面から総合的に検討し、薬学教育プログラムを確立することを目的としています。なお、本研究は、京都学園大学の伊原千晶准教授を研究代表者として実施しています。

平成26年度および平成27年度においては、教育プログラム策定の第一段階として、医療現場における薬剤師が遭遇するコミュニケーション障害・倫理的問題=ディスコミュニケーション(以下、DCとする)の状況把握とその事例の詳細を収集しました。

図1.DC事象経験者の割合(※画像クリックで拡大します)

ディスコミュニケーションの状況把握については、臨床心理的・倫理的・精神医学的観点から、対人援助面の課題が明確化できる架空のDC事例55項目を策定し、日本在宅薬学会会員および大阪府薬剤師会会員を対象としたインターネット調査にて、経験の有無を「非常によく経験する」から「経験したことがない」の5段階で回答してもらいました(回答期間:平成27年3月20日〜10月20日)
「経験したことがない」および「ほとんど経験しない」の2段階を「経験なし」、「時々経験する」「よく経験する」「非常によく経験する」を「経験あり」として集計した結果は、図1のとおりでした。55項目のうち、経験者が半数以上を占めた項目は40項目であり、すべての項目に3割以上の経験者がいることが把握されました。最も経験者が多い項目はC2(薬剤師をカウンセラーの様に思い、しゃべりだすと止まらない患者がいて困る)であり、85.5%を占めました。それに続く項目は、A3(患者の話を熱心に聴いていると、自宅に帰ってからも患者のことが気になり考えてしまう)、B6(家族が代理で薬を取りに来る場合、患者本人が処方箋について十分な情報を得て同意しているかどうか確認したいが、家族が取り合わないので、未確認のまま薬を渡す)、E5(体調を尋ねる理由を伝えても、医師にも聞かれて答えた内容をなぜ薬剤師にも言わなければならないのかと不満を言われる)、E2(同じ内容を説明しているのに、患者の受け入れ方が、スタッフによって異なる)でした。

対人援助面の課題を明確化したA〜I(A:距離が近くなりすぎた、B:患者と家族の狭間で、C:患者との対応で、D:精神的な病気について、E:服薬指導をめぐって、F:医師と患者の間をめぐって、G:守秘義務について、H:重篤な疾患に罹患している患者に対して、I:薬剤師自身に関連して)のうち、HおよびIを除く場面については、大半の薬剤師が経験する事象があることが把握できました。
平成28年度は、この結果をエビデンスとした具体的な教育プログラム構築を目指して取り組んでいます。
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