大学院博士課程4年藏野匠さん(薬剤学研究室)らの「経鼻投与による鼻から脊髄移行性に関する研究」の成果がPharmaceutics誌に掲載されました。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの選択的な変性により筋力低下をきたし、呼吸筋麻痺のため死に至る神経変性疾患です。その主な原因は酸化ストレスの増加であると考えられています。抗酸化作用を有するN-アセチル-L-システイン(NAC)は、水溶性の低分子であることから脳および脊髄への移行性が乏しいため、これまで生存期間を延長させるほどの効果は得られませんでした。
この論文では、ALSの病態モデルマウスを用いて、NACにナノキャリアを併用した経鼻投与がALSの病勢進展に対して抑制を示す有用な薬物送達法であることを明らかにしました。本研究の成果は、薬物の経鼻投与によって鼻から脊髄への移行性を高めることで、脊髄疾患治療に有用な薬物送達技術になることが期待されます。
<論文名>
Intranasal administration of N-acetyl-L-cysteine combined with cell-penetrating peptide-modified polymer nanomicelles as a potential therapeutic approach for amyotrophic lateral sclerosis
<著者>
Takumi Kurano, Takanori Kanazawa, Shingo Iioka, Hiromu Kondo, Yasuhiro Kosuge, and Toyofumi Suzuki
原文は以下のリンクをご覧ください。
https://doi.org/10.3390/pharmaceutics14122590
この論文では、ALSの病態モデルマウスを用いて、NACにナノキャリアを併用した経鼻投与がALSの病勢進展に対して抑制を示す有用な薬物送達法であることを明らかにしました。本研究の成果は、薬物の経鼻投与によって鼻から脊髄への移行性を高めることで、脊髄疾患治療に有用な薬物送達技術になることが期待されます。
<論文名>
Intranasal administration of N-acetyl-L-cysteine combined with cell-penetrating peptide-modified polymer nanomicelles as a potential therapeutic approach for amyotrophic lateral sclerosis
<著者>
Takumi Kurano, Takanori Kanazawa, Shingo Iioka, Hiromu Kondo, Yasuhiro Kosuge, and Toyofumi Suzuki
原文は以下のリンクをご覧ください。
https://doi.org/10.3390/pharmaceutics14122590