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私の薦めるこの一冊 2017年度


2017.11.20更新
図書館では、学生のみなさんに本に接する楽しさを知ってもらうために「図書館運営委員会からのこの一冊」という企画を立ち上げ、2011年度から実施しています。今年度からは「私の薦めるこの一冊」とタイトルも新たに、先生・職員方から様々なジャンルの本を推薦していただきました。推薦文とともに2階カウンター前に展示しますので、ぜひお立ち寄りください。貸出も可能です。

岸川幸生 実践薬学系主任

「武士道」 新渡戸稲造 三笠書房
「日本には宗教教育がないのに、どうして道徳教育ができるのか?」欧州訪問中に受けた質問に対し、日本人の思考や振る舞いの根になっているものが何なのかを、武士道という切り口で説明する本。日本人としてのアイデンティティーが見つけられるかも知れない。

「超訳ニーチェの言葉」 フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ ディスカヴァー・トゥエンティワン
ニヒリズムや反宗教的思想といった独自の思想により二十世紀の哲学思想に多大なる影響を与えたドイツの哲学者ニーチェ。ニーチェってこんなに明るかったのか!?人間について、人間の生き方について明るく力強い言葉が多数ちりばめられている。

「寅さんとイエス」 米田彰男 筑摩書房
「男はつらいよ」の寅さんとイエス・キリストの共通性をさぐるユニークなキリスト論。一見、妙な組合せだが、人を魅了するユーモア、人の痛みを背負うつらさなど意外にも共通点が多い。寅さんを通してイエス・キリストを学ぶことができる。

「病院で死ぬということ」 山崎章郎 文芸春秋
20年以上前に書かれた本だが、「生」と「死」を深く考えることの端緒となった一冊。医療者(になる方も)必読。

「青春を山に賭けて」 植村直己 文藝春秋
新たな自己の可能性を見出すために冒険をしよう。冒険とは無謀な行いではなく綿密な計画に基づいた実行力と臨機応変な判断力を発揮することである。「何か」に挑み続ける姿勢は人間として尊いものだと思う。

小林俊亮 応用薬学系主任

「想像ラジオ」 いとうせいこう 河出書房新社
あの衝撃と恐怖の出来事のあと・・・。著者のレクイエム観に引き込まれた。3.11が近づくと読みたくなる。

「風の中のマリア」 百田尚樹 講談社
蜂が他人とは思えなくなる(昆虫なのに)。自分とは何かを考えていく主人公を追いながら、オオスズメバチの生態も面白く学ぶことができる。著者の言動はよく物議を醸すが、作品は面白い。

「免疫の意味論」 多田富雄 青土社
自分と他人の違いは脳が決めるのか?自己の中に入り込んでくる非自己に対する強烈な攻撃性に気付くと、「自分とは」という命題は免疫系があって初めて考えることができるんだと思うようになる。

四宮一総 基礎薬学系主任

「八甲田山死の彷徨」 新田次郎 新潮社
明治時代、青森第5連隊と弘前第31連隊が雪中行軍訓練の一環として厳冬期に八甲田山踏破を実施した。青森第5連隊は隊員のほとんどが遭難死したのに対し、弘前第31連隊は踏破を貫徹し、全員無事帰還した。雪とは何か、寒さとは何か、生死を分けたものは何だったのかを考えさせてくれる。

「公園通りの午後」 渡辺淳一 角川書店
短編集である。中でも印象的なのは、呉健先生の心臓に関する研究を描いた「愚直の一念」のくだりである。当時、迷路とされた心臓に関する研究を教授から命じられた呉先生は同期が次々と学位を取得していく中で、ただ一人コツコツと研究を続け、やがて輝かしい発見をする。地道に執念深く研究を続けることの大切さを教えてくれる小文である。

「「死の医学」への序章」 柳田邦男 新潮社
国立千葉病院(当時)に勤務していた西川医師が泌尿器系の癌に侵され、治療の経過から心の葛藤、やがて死に至るまでの記録(ノンフィクション)である。医師として冷静さと同時に客観性をもって病気を受け止める姿を克明に綴る。ワークショップで、他大の医師教授が、「あれ程服薬指導で心をくだいた人の死にも薬剤師は立ち会えない。無念ではありませんか。」そう問いかけた姿を思い出す。

「ガン回廊の朝」 柳田邦男 講談社
癌治療の黎明期に癌と格闘した医師達の姿を描くノンフィクションである。早期癌の発見には、今でこそ胃バリウム検査でバリウム剤の前に発泡剤を飲むのが普通になっているが、この発泡剤を飲んで胃を膨らませて表面に潜む癌を発見するという二重造影法は画期的な方法であった。この方法を開発した医師達の姿を描いたくだりはとても印象深い。

筒井仁 事務長

パパラギ : はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビの演説集」 エーリッヒ・ショイルマン ソフトバンククリエイティブ
学生時代、NHKラジオの「朗読の時間」に久米明氏による名調子で出会った一冊。
100年近く前に世に出た本だが、今でも考えさせられることがあるのでは・・・

「深呼吸の必要」 長田弘 晶文社
たまには、言葉による深呼吸はいかがですか?

松田卓也 庶務課長

「武士道シックスティーン」 誉田哲也 文藝春秋
「セブンティーン」、「エイティーン」、「ジェネレーション」と続編もあります。剣道をやったことのない方でも面白いと思います。

「永遠の0 (ゼロ)」 百田尚樹 太田出版
映画化もされましたが、こんなにハラハラしながら読んだ本はありません。

「燃えよ剣」上・下 司馬遼太郎 新潮社
単なる歴史小説ではなく、組織とは何かを考えさせられました。


佐藤康晴 管財課長

「坂の上の雲」 司馬遼太郎 文藝春秋
本学部図書館の蔵書の中から選ばせていただきました。近代国家として歩みだした明治時代の日本を描いた歴史小説。NHKのドラマを見てから読みました。

「ガリア戦記」 カエサル 岩波書店 
ジュリアス・シーザーがガリア(現フランス)を征服した際の遠征記。日本でもいろんな書店から翻訳出版されています。古代史に興味のある人向け。

「戦場の歴史 : コンピュータ・マップによる戦術の研究」「第二次世界大戦」 ジョン・マクドナルド 河出書房新社
古代から現代の歴史上の主な戦場をグラフィックを用いて再現してある。歴史ファン好みの書籍。もう販売されていないかもしれません。古くなって除籍する際にはいただきたいくらいです。

佐々木芳昭 研究事務課長

「サピエンス全史 : 文明の構造と人類の幸福」上・下 ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社
歴史年表から始まります。「135億年前」に物質とエネルギーが現れ、物理的現象が始まり、原子と分子が現れ、化学的現象が始まりました。そして「未来」、知的設計が生命の基本原理となるか?ホモ・サピエンスが超人たちに取って代わられるか?で年表が終わります。30か国以上で翻訳された世界的なベストセラーです。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも今年の一冊に上げています。
かつてアフリカ大陸の一隅で捕食者を恐れ細々とくらしていた「取るに足りない動物」がこの21世紀までたどってきた道のりを振り返り、将来を見据えます。「取るに足りない動物」私たち現生人類が、どうやって食物連鎖の頂点に立ち、万物の霊長を自称し、地球を支配するにいたったのか?私たちを「サピエンス」という種として、他の生物との関連の中で振り返ると今までとは違った人類の姿が見えてきます。

「ミステリ国の人々」 有栖川有栖 日本経済新聞出版社
「ミステリ国の人々」は、日本経済新聞で2016年1月3日から12月25日にかけて毎週日曜日に連載されたのをまとめたものです。
すでに亡くなった作家(例外1名を除き)の作品を集めたそうです。シャーロック・ホームズ等の有名な探偵を除けば、知らない作家やキャラクターの方が多いと思いますが、心配は要りません。有栖川さんの筆力で、どのキャラクターにも思い入れと愛情がたっぷりで、この世界に引き込まれてしまいます。読後は、ミステリーの大家(の弟子?)になった気分を味わえます。ミステリーに馴染みがない人も入門にうってつけです。知らない作家やキャラクターに興味を惹かれて、また既読作品も改めて、各作品を読みたくなりますが、優先順位を付けるのも読書の楽しみの一つです。

「最後の授業 : 心をみる人たちへ」 北山修 みすず書房
北山修先生は、かつて「帰ってきたヨッパライ」「風」等で一世を風靡した「フォーク・クルセダース」の一員で作詞家でもあります。
京都府立医科大学卒業後は、医学者として、札幌医科大学医学研修生、ロンドン大学精神医学研究所等で研修を積み、帰国後北山医院(現南青山心理相談室)院長となりました。1991年10月から九州大学教育学部で教鞭をとっています。卒業後も休養をはさみながらミュージシャン、作詞家としても活動を続けており、1971年に「戦争を知らない子供たち」で日本レコード大賞作詞賞を受賞しています。この本は、その最後の授業「テレビのための精神分析入門」を書籍化したものです。ラジオパーソナリティー経験もあり複数の視点を持つ著者の講義は、大変興味深い内容です。


「天地明察」 冲方丁 角川書店
タイトルを見た瞬間、「明快でカッコイイ!」と思いますが、内容もそのとおりです。徳川四代将軍家綱の時代に、ある「プロジェクト」が立ち上がります。当時の暦「宣明暦」は正確さを失いズレを生じていました。改暦の実行者として選定された主人公が「天」との壮絶な勝負を繰り広げていきます。主人公に没入してスト-リーの醍醐味を味わいましょう。


「星を継ぐもの」 ジェイムズ・P.ホーガン 東京創元社
月面で発見された宇宙服をまとった死体。それを調べてみると5万年前に死亡したことが判明します。一方、木星の衛星ガニメデでは地球のものではない宇宙船の残骸が発見されます。この両者に果たして関連はあるのか?太陽系の成り立ちや地球生命のルーツにも関わる現代ハードSFの傑作です。翻訳も読みやすく一気に読めてしまいます。

永田康介 就職指導課長

「ヤセたければ、腸内「デブ菌」を減らしなさい! : 2週間で腸が変わる最強ダイエットフード10」藤田紘一郎 ワニ・プラス
身体内での肥満を解消するための、効果的な方法を、食品をサンプルにして、従来の認識とは違った角度から切り込んだ有意義で、興味深い一冊です。


村山琮明先生/病原微生物学研究室

「小さな小さなクローディン発見物語 : 若い研究者へ遺すメッセージ」 月田承一郎 羊土社
「若い研究者へ遺すメッセージ」という言葉が副題で付いています。クローディンと言えば、一年生の時の生物の細胞間接着を思い出すと思います。その発見に至る過程が書いてあり、月田先生の心に残るメッセージを読み取っていただければと思います。

「空気は読まない」 鎌田実 集英社
長野県・諏訪中央病院、院長をされていた医師の書いた心温まるエピソードです。疲れた時に読んで見て下さい。


「医真菌学の歴史を訪ねて : 太田正雄と真菌研究」 山口英世 アイカム
私の師の山口英世先生が、日本の医真菌の祖とも言うべき太田正雄先生の紹介をするDVDブックです。太田先生は木下杢太郎という別名で文芸活動もしていた希有な才能の持ち主です。パリのSabouraud先生の元に留学していた話のシーンが印象的です。



藤井まき子先生/薬品物理化学研究室

「ネガティブ・ケイパビリティ : 答えの出ない事態に耐える力」 帚木蓬生 朝日新聞出版
昨年推薦した「安楽病棟」の著者が精神科の医師として書かれたもの。簡単に答えの見つからないことに対して、正解がないことの不安からとりあえず白黒つけてしまうということをしない能力について、医療現場での例を挙げながら、説明されている。専門知識を身に付けることは重要であるが、さらにその先にあるものを教えてくれる。


「氷姫 : エリカ&パトリック事件簿」 カミラ・レックバリ 集英社
最近流行の北欧ミステリの一つ。推理小説としてもよくできているが、福祉、男女共生など社会システムとして理想化して語られるスウェーデンにおいても、そんなに物事は単純ではないということがシリーズを読んでいくとわかる。文化による考え方の違いなど、本当は純文学で感じるのがいいのかもしれないが、いろんな国の推理小説をお手軽に楽しみながらというのも一つだと思う。

「ヤマネコ・ドーム」 津島佑子 講談社
太宰治は好みでないが、娘の津島佑子は何とも言えない悲しみと不思議な感覚の小説を書く人で、良く理解できるわけではないが、つい読んでしまう作家のひとりである。本書は多分最後の小説で、占領下に生まれた混血児の人生が時間軸を行ったり来たりしながら描かれている。
原爆や原発事故など核に対する憤りが底流にあるように思える。

松﨑桂一先生/生薬学研究室

「娘と私」 獅子文六 筑摩書房
フランス生まれの細君、忘れ形見の娘、そして後妻への愛情と、大正時代の雰囲気をみつめたい方へ。


「植物はなぜ薬を作るのか」 斉藤和季 文藝春秋
薬用植物、天然物の不思議を見つめてください。



大場延浩先生/病院薬学研究室

「医学探偵ジョン・スノウ : コレラとブロード・ストリートの井戸の謎」 サンドラ・ヘンペル 日本評論社
疫学者の多くがロンドンのスノウ・ポンプのレプリカのところのパブでお酒を飲むと聞きます。
疫学の教科書に必ずでてくるジョン・スノウ博士は、細菌学者コッホがコレラ菌を発見する30数年も前に、コレラが汚染された水を介して伝播することを報告した。そんな過去の偉大な疫学研究にふれてほしい。

「統計学が日本を救う : 少子高齢化、貧困、経済成長」 西内啓 中央公論新社
医療人であるかどうかに関わらず日本人として直面するわが国の少子高齢化社会がもたらす問題について、私たちはどのように考えていくか?に関する一つの示唆が得られるかもしれない。


「電池が切れるまで : 子ども病院からのメッセージ」 すずらんの会 角川書店
院生の時に大学病院で小児病棟を担当させていただいていました。そんな時、同じ県内の病院で闘病生活を送る宮越由貴奈さんのドキュメント番組を偶然見ていたことを思い出し、この本を手に取りました。タブーに触れるかもしれませんが、日本大学全体の中でも稀に、自ら命を絶つ学生がいると聞いています。是非、手にとって読んでもらいたいです。


丹羽典朗先生/数学研究室

「多数決を疑う : 社会的選択理論とは何か」 坂井豊貴 岩波書店
2015年度、図書館運営委員だった時に推薦した本です。改めて今一度、推薦します。
多数決で、つまり、民主的に選んだはずなのに、その結果が何かおかしい。「一人一票による多数決方式」で民意を汲み取る事はできるのでしょうか。本書では「一人一票による多数決方式」以外の選挙制度が考察されています。


「宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ」 佐藤俊哉 岩波書店
宇宙怪人しまりすが、争い事を止めない人類を征服するため地球にやってくる。宇宙怪人しまりすの母星では科学は進んでいるが、医療統計が進んでいない。なので、人類を征服する前に「先生」のもとで医療統計を学ぶ。
医療統計の専門家である佐藤俊哉氏による一冊。
「しまりす」と「先生」による対話形式なので冗長に感じるかもしれませんが、それゆえゆっくりと学ぶ事ができます。
前向き研究、後ろ向き研究、コホート研究、ケース・コントロール研究、リスク比、オッズ比などがキーワード。

「宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ 検定の巻」 佐藤俊哉 岩波書店
前書の続編、検定の巻。
第2話 有意なのに意味ないの?
第3話 バイアス恐るべし
第4話 研究は計画が命ですね



齋藤弘明先生/有機化学研究室

「夜明けの雷鳴 : 医師高松凌雲」 吉村昭 文藝春秋
徳川慶喜の時代から明治維新に渡る激動期を生きた医師の物語。フランス留学中に徳川幕府が崩壊し周囲の環境が一変する。箱館戦争で互いに対峙する軍の患者すべてに平等に対応する姿勢に心をうたれます。

「家康、江戸を建てる」 門井慶喜 祥伝社
現代の東京の街並みがどのように創られたか。風景が時代を越えて鮮やかに広がります。読みやすい文章で、歴史が好きな方に特にお薦めします。

「長谷川恒男虚空の登攀者」 佐瀬稔 中央公論社
孤高のクライマーの物語。感情表現が不器用で周囲の人々とぶつかりながら未踏のルートを探し出して山を登る。一つのことにひたむきな姿勢が強く印象に残ります。

「砂漠」 伊坂幸太郎 新潮社
青春を生きる大学生の物語。伊坂作品全般を薦めます。

「そして生活はつづく」 星野源 文藝春秋
読みやすい文章のエッセイ集。すき間時間に読むこともできます。多彩な才能で活躍する中、作家星野源の飾らない姿が面白い。

彦坂眞次 図書館事務課長

「コーヒーが冷めないうちに」 川口俊和 サンマーク出版
「エモい」、とても心がうるうるしました。誰にでも過去に戻ってやり直したいことがあるのではないでしょうか。過去に戻れなくても未来を変える。忙しい毎日に追われる中で、気づかないこと、大事な人、心、大切な何かを気づかせてくれる本ではないでしょうか。

「人生論」 D・カーネギー 創元社
一生のうちで仕事に費やす時間は非常に多く、仕事が疲労で終わるか、達成感を得るかによって、人生は大きく変わると思います。
人は楽しいことをしている時は疲れないそうです。考え方を変えるきっかけ、困難や問題解決のために役立つ本だと思います。

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 岩崎夏海 ダイヤモンド社
ビジネスの王道であるドラッガーの「マネジメント」は、とても難しいと敬遠したくなりますが、日本人なら誰もが知っている高校野球という身近な題材を取り上げ、マネジメントを楽しく勉強できる素晴らしい本だと思います。物語は女子マネージャーの勘違いから始まりますが、友人との関係を通し、甲子園を目指す青春ストーリーは感動ものです。


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