グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



研究・社会貢献

科研費 CaseStudy19


遺伝子発現抑制薬ピロール - イミダゾール
ポリアミドの構造 - 薬物動態相関モデルの構築

臨床薬物動態学研究室 助教 青山隆彦

薬物体内動態とは

注射や錠剤として投与された薬物は、体内に吸収され、様々な臓器に分布し効果を表します。薬物によっては、肝臓などで体外に排泄されやすい分子構造に代謝されたり、尿や胆汁に排泄されたりします。こうした体内での薬物の動きを薬物体内動態といいます。薬物体内動態を把握するために、血液中の薬物濃度を測定します。血中薬物濃度が最も高くなる時間や、低下する速度を調べ、1日の投与量や投与回数を決定します。

ピロール - イミダゾールポリアミドとは

ピロール − イミダゾールポリアミド(PIポリアミド)はN−メチルピロールと N−メチルイミダゾールが連なる分子構造をもつ化合物です。PIポリアミドにはピロールとイミダゾールの組合せにより様々な種類が存在します。PIポリアミドはDNAの二重らせん構造の分子間に入り込み、DNAに結合します。ピロールとイミダゾールの組み合わせによって、結合するDNAを制限することができます。病気のときに過剰に発現するDNAを標的としたPIポリアミドを設計することによって、様々な病気の治療薬を創ることができると期待されています。

ピロール - イミダゾールポリアミドによる創薬を目指して

図1. 構造-薬物動態相関解析と
ヒト体内動態予測

化合物が新規医薬品として認められ、ヒトに投与されるまでには、物理化学的性質、安全性、毒性、薬理作用、薬物動体の把握など様々な情報が必要です。医薬品開発中に行われる薬物動態試験では、被験化合物の吸収・分布・代謝・排泄を明確にすることとされています。これまでに私達のグループでは、細胞レベルで薬理効果が認められるPIポリアミドに着目し薬物動態を調べてきましたが、様々なPIポリアミド全ての薬物動態試験を行うには、物理的、時間的限界があります。そこで、PIポリアミドの分子構造と薬物動態の相関関係を調べることにより、設計したPIポリアミドの分子構造より薬物体内動態を予測する方法を検討し、PIポリアミドによる遺伝子発現抑制薬開発の効率化を目指しています。
  • 資料請求
  • デジタルパンフ
  • オープンキャンパス・入試イベント