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第205回|薬局から支えるウィメンズヘルス
〜緊急避妊薬のOTC化で高まる薬剤師の役割と多職種連携の重要性~
近年、女性のライフスタイルの多様化やヘルスリテラシーの向上に伴い、性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights: SRHR)の重要性が広く認識されるようになっています。こうした中で、地域医療における最も身近なアクセスポイントである薬局、そして次世代の医療を担う薬学生や現場の薬剤師の皆様が、ウィメンズヘルスケアにおいて果たす役割は、これまで以上に大きくなっています。
2026年2月より、緊急避妊薬「ノルレボ®」が処方箋なしで、薬局にて購入可能となりました。産婦人科を受診しなくても緊急避妊薬(アフターピル)を入手できることは、SRHRの観点で一歩前進した対策として素晴らしいことですが、一方で、緊急避妊薬を必要とする女性の背景には、暴力、DV(Domestic Violence)、性感染症などの見過ごしてはならない問題が潜んでいる可能性もあります。SRHRにおいて最も重要なことは、「女性が心身の健康を守るために主体的な選択を行えること」であり、そして「緊急時の避妊法」だけでなく「緊急ではない避妊法」についても正しい知識を得られることです。薬局に助けを求めて駆け込む女性に対しては、緊急避妊薬を適切に服用指導していただくことに加え、将来の健康的なセクシャリティや今後の避妊行動について道案内をしてもらうことが極めて重要です。薬局での指導が、その女性のその後の人生に大きな影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
通常、緊急避妊を目的として産婦人科を受診される方には、問診により事件性の有無を確認し、必要に応じて膣内の精液や感染症のチェック、婦人科としての診察(子宮卵巣の超音波検査など)を行ないます。そのうえで、緊急避妊薬を処方し、3週間後を目安に妊娠の有無を確認するとともに、今後の避妊方法について具体的に説明します。緊急避妊の経験を契機に、ご自身の健康や性に関する自己決定について真剣に考えるようになる方も多く、この機会を適切な支援につなげることの重要性を日々実感する次第です。また、低用量ピルである低用量経口避妊薬 / 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(OralContraceptives / Low dose Estrogen Progestin: OC/LEP)は月経困難症治療薬として広く浸透してきており、本講演ではこの点についても併せて解説します。
薬剤師と産婦人科医がより緊密に連携し、女性が自らの体と人生を主体的に守ることができる社会を実現することが求められています。本講演が、薬学生および薬剤師の皆様にとって、女性の健康を支える「頼れる伴走者」となるための一助となれば幸いです。
性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights: SRHR)
https://www.srhr.org/
https://www.who.int/health-topics/sexual-and-reproductive-health-and-rights#tab=tab_1
2026年2月より、緊急避妊薬「ノルレボ®」が処方箋なしで、薬局にて購入可能となりました。産婦人科を受診しなくても緊急避妊薬(アフターピル)を入手できることは、SRHRの観点で一歩前進した対策として素晴らしいことですが、一方で、緊急避妊薬を必要とする女性の背景には、暴力、DV(Domestic Violence)、性感染症などの見過ごしてはならない問題が潜んでいる可能性もあります。SRHRにおいて最も重要なことは、「女性が心身の健康を守るために主体的な選択を行えること」であり、そして「緊急時の避妊法」だけでなく「緊急ではない避妊法」についても正しい知識を得られることです。薬局に助けを求めて駆け込む女性に対しては、緊急避妊薬を適切に服用指導していただくことに加え、将来の健康的なセクシャリティや今後の避妊行動について道案内をしてもらうことが極めて重要です。薬局での指導が、その女性のその後の人生に大きな影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
通常、緊急避妊を目的として産婦人科を受診される方には、問診により事件性の有無を確認し、必要に応じて膣内の精液や感染症のチェック、婦人科としての診察(子宮卵巣の超音波検査など)を行ないます。そのうえで、緊急避妊薬を処方し、3週間後を目安に妊娠の有無を確認するとともに、今後の避妊方法について具体的に説明します。緊急避妊の経験を契機に、ご自身の健康や性に関する自己決定について真剣に考えるようになる方も多く、この機会を適切な支援につなげることの重要性を日々実感する次第です。また、低用量ピルである低用量経口避妊薬 / 低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(OralContraceptives / Low dose Estrogen Progestin: OC/LEP)は月経困難症治療薬として広く浸透してきており、本講演ではこの点についても併せて解説します。
薬剤師と産婦人科医がより緊密に連携し、女性が自らの体と人生を主体的に守ることができる社会を実現することが求められています。本講演が、薬学生および薬剤師の皆様にとって、女性の健康を支える「頼れる伴走者」となるための一助となれば幸いです。
性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights: SRHR)
https://www.srhr.org/
https://www.who.int/health-topics/sexual-and-reproductive-health-and-rights#tab=tab_1
| 実施日 | 令和8年6月24日(水曜日) 19時30分~21時00分 | ||
| 講師 | よしかた産婦人科 院長 横浜市立大学 産婦人科 客員教授 善方 裕美 先生 |
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| 開催形式 |
Googlemeetによるライブ配信 |
受講料 | 1,000円 |
| 単位数 |
1単位 |
定員 | 50名 |
ご予約
第206回|命の最前線で薬剤師は何をするのか
-救急・集中治療で発揮される薬剤師の専門性-
救急・集中治療の現場は、数分の判断が患者の予後を大きく変える、まさに1分1秒が命を左右する「時間との戦い」です。気管挿管や補助循環装置の挿入などの高度な処置が行われる一方で、鎮静薬、昇圧薬、抗菌薬など多様な薬剤が用いられ、薬物療法が治療の中心を担う医療でもあります。しかし、救急搬送直後の患者では既往歴や服薬歴などの情報が十分に得られないことも多く、限られた時間と不確実な状況の中でハイリスク薬の使用について迅速かつ適切な意思決定が求められます。このような環境において、薬剤師がチーム医療の一員として初期診療から関与し、薬歴確認、投与量設計、薬物療法の提案を行うことは、医療安全の確保のみならず、患者アウトカムの改善にも重要な役割を果たします。
本講演では、私が約20年にわたり数千例に及ぶ救急症例に関与してきた経験をもとに、救急外来(ER)および集中治療室(ICU)における薬剤師の実践的な役割について解説します。ERでは、救急搬送患者の初期診療において、限られた情報と時間の中で行われる薬剤選択、投与量設計、迅速な薬剤準備などに薬剤師が関与することで、初期診療の質向上にどのように貢献できるかを示します。さらにICUでは、腎機能変動を踏まえた投与設計、鎮痛・鎮静管理、電解質管理など、重症患者に対する薬学的管理の実践を紹介します。また、当施設で実践している「プロトコールに基づく薬物治療管理」の取り組みを紹介し、薬剤師が個々の臨床介入にとどまらず、医療システムとして医療の質向上に関与する可能性についても議論します。
救急・集中治療は決して特別な能力を持つ人だけの領域ではありません。完璧な知識よりも、まずは臨床の現場へ一歩踏み出す勇気が重要です。本講演では、明日から実践できる具体例も提示し、薬剤師が「命を守るチームの一員」として職能を最大限に発揮するための道標となる時間としたいと考えています。
本講演では、私が約20年にわたり数千例に及ぶ救急症例に関与してきた経験をもとに、救急外来(ER)および集中治療室(ICU)における薬剤師の実践的な役割について解説します。ERでは、救急搬送患者の初期診療において、限られた情報と時間の中で行われる薬剤選択、投与量設計、迅速な薬剤準備などに薬剤師が関与することで、初期診療の質向上にどのように貢献できるかを示します。さらにICUでは、腎機能変動を踏まえた投与設計、鎮痛・鎮静管理、電解質管理など、重症患者に対する薬学的管理の実践を紹介します。また、当施設で実践している「プロトコールに基づく薬物治療管理」の取り組みを紹介し、薬剤師が個々の臨床介入にとどまらず、医療システムとして医療の質向上に関与する可能性についても議論します。
救急・集中治療は決して特別な能力を持つ人だけの領域ではありません。完璧な知識よりも、まずは臨床の現場へ一歩踏み出す勇気が重要です。本講演では、明日から実践できる具体例も提示し、薬剤師が「命を守るチームの一員」として職能を最大限に発揮するための道標となる時間としたいと考えています。
| 実施日 | 令和8年9月16日(水曜日) 19時30分~21時00分 | ||
| 講師 | 日本大学医学部附属板橋病院 薬剤部 技術長補佐 今井 徹 先生 |
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| 開催形式 |
Googlemeetによるライブ配信 |
受講料 | 1,000円 |
| 単位数 |
1単位 |
定員 | 50名 |
ご予約
第207回|今宵はガイドライン2025時代の高血圧・心不全診療を語り合おう
〜薬剤師の専門性が治療成績を変える〜
高血圧と心不全は、超高齢社会の日本において健康寿命、生命予後、生活の質を大きく左右する重要な循環器疾患です。そして、その診療の質を真に高めるためには、医師による診断や治療方針の提示のみならず、薬物療法を深く理解し患者の日常に最も近い立場から支える薬剤師の力が欠かせません。本講演では、「高血圧管理・治療ガイドライン2025」と「心不全診療ガイドライン2025」を共通の基盤として、高血圧および心不全診療の最前線を概観しながら、これからの時代に薬剤師が果たすべき役割を実臨床の視点から考えます。高血圧診療では、単に血圧を下げることにとどまらず、家庭血圧の活用、アドヒアランス向上、併存疾患への配慮、ポリファーマシーへの対応、生活習慣改善支援まで含めた「管理」の視点がますます重要となっています。
心不全診療においても、標準治療の理解だけでなく、導入後の継続支援、副作用や有害事象の早期把握、服薬指導、患者教育、多職種連携が予後改善の鍵を握ります。薬剤師は、処方薬を安全に供給する専門職にとどまらず、薬物療法の質を引き上げ、患者ごとの最適解に迫る臨床パートナーです。本講演では、ガイドラインを「知っている」薬剤師から「使いこなす」薬剤師へとアップグレードすることで、医師と薬剤師が共通言語を持って連携し患者・地域・社会によりよい医療を届ける道筋を考えます。なお、本講演では演者が実践している生成AIの使い方やプロンプト集も紹介し、日常診療における意思決定支援や情報整理の効率化を通じて、薬剤師の臨床実践を拡張する新たなツールとしての可能性についても共有します。
心不全診療においても、標準治療の理解だけでなく、導入後の継続支援、副作用や有害事象の早期把握、服薬指導、患者教育、多職種連携が予後改善の鍵を握ります。薬剤師は、処方薬を安全に供給する専門職にとどまらず、薬物療法の質を引き上げ、患者ごとの最適解に迫る臨床パートナーです。本講演では、ガイドラインを「知っている」薬剤師から「使いこなす」薬剤師へとアップグレードすることで、医師と薬剤師が共通言語を持って連携し患者・地域・社会によりよい医療を届ける道筋を考えます。なお、本講演では演者が実践している生成AIの使い方やプロンプト集も紹介し、日常診療における意思決定支援や情報整理の効率化を通じて、薬剤師の臨床実践を拡張する新たなツールとしての可能性についても共有します。
| 実施日 | 令和8年11月4日(水曜日) 19時30分~21時00分 | ||
| 講師 | 国際医療福祉大学 大学院医学研究科 循環器内科 教授 国際医療福祉大学 福岡薬学部 教授 岸 拓弥 先生 |
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| 開催形式 |
Googlemeetによるライブ配信 |
受講料 | 1,000円 |
| 単位数 |
1単位 |
定員 | 50名 |
ご予約
第208回|大麻規制と“ゾンビたばこ”から考える医薬品と乱用薬物の最近の状況について
| 実施日 | 令和9年2月17日(水曜日) 19時30分~21時00分 | ||
| 講師 | 武蔵野大学 薬学部 レギュラトリーサイエンス講座 教授 花尻 瑠理 先生 | ||
| 開催形式 |
Googlemeetによるライブ配信 | 受講料 | 1,000円 |
| 単位数 |
1単位 |
定員 | 50名 |






