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生涯教育
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平成19年度実施状況(第109~114回)



第112回│医薬品販売制度改正と薬剤師職能の変化

実施日 平成19年11月8日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学薬学部薬事管理学ユニット教授 白神誠
平成18年の薬事法改正により、医薬品販売制度が大きく変更され、平成21年から実施される。改正法により、一般用医薬品はリスクに応じて第1類・第3類に分類された。その医薬品の副作用等により日常生活に支障を生じるぐらいの健康被害を起こすおそれのある一般用医薬品のうちその使用に関して特に注意が必要なものが第1類医薬品、それ以外が第2類医薬品で、第1類、第2類以外の一般用医薬品が第3類医薬品である。第1類医薬品については、薬剤師が厚生労働省令で定める事項を記載した書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提供した上で販売しなければならず、第2類及び第3類医薬品については、薬剤師または登録販売者(都道府県知事が行う試験に合格し登録を受けた者)が販売しなければならない。販売時の説明は、第2類医薬品は努力義務、第3類医薬品は法律上明記されなかった。また医薬品を購入した者等から相談があった場合には、薬剤師または登録販売者は、その適正な使用のために必要な情報を提供しなければならない。さらに、医薬品の販売業の許可の種類は、店舗販売業、配置販売業または卸売販売業の許可とされ、薬剤師または登録販売者を店舗販売業では、店舗管理者としてまた配置販売業者では、その配置する都道府県の区域を管理する区域管理者として置かなければならない。

この制度改正により、一般用医薬品の販売に際しての薬剤師の関わりが縮小されるように見える。しかし、この制度改正は同時に、今医療制度改革の目指している患者主体の医療に一致するものである。患者主体の医療とは個々の患者、お客に応じて対応することであり、制度改正の医薬品のリスクという物の側からの分類と一致するものではない。ここにこれからの一般用医薬品販売への薬剤師のかかわり方のヒントがあるのではないだろうか。

第113回│インフルエンザと漢方

実施日 平成20年1月17日(木)18:00〜20:00
講師 今田屋内科 今田屋章 氏
インフルエンザA型、B型は毎年流行を繰り返し、高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感などの全身症状を伴って急激に発症する。気管支炎、肺炎を続発することもあり、高齢者を中心に死者も出ている。

現代医学的治療

治療は抗インフルエンザ薬が中心となる。現在オセルタミビル(タミフル)が広く使用され、有効性も確認されている。これは、A型、B型ともに有効である。しかし、最近、オセルタミビルによる副作用として、異常行動が、注目され、死者も出ている。このような状況のため、オセルタミビルを拒否する人も増えている。

インフルエンザと漢方

漢方を応用する場面としては1.妊婦、2.授乳婦、3.オセルタミビルを拒否した人、4.積極的に漢方とオセルタミビルを併用する、などが考えられる。
さて、漢方の受け入れ態勢はどうか。漢方の聖典とされている傷寒論は、腸チフスをモデルケースとして、さまざまな急性疾患の種々相が記載されている。特に急性悪性疾患は「傷寒」とよばれている。傷寒とは、「太陽病(初期相)で発熱し、必ず悪寒し、体痛み、嘔吐するような症状を傷寒と名付ける」とあり、この病態は、インフルエンザと酷似している。従って、この初期相に使われる処方が適方となる。大青竜湯、麻黄湯、桂麻各半湯、桂枝二越婢一湯、桂枝二麻黄一湯などが使用される。特に大青竜湯の有効性が高い。適方を選択すれば3日以内に治癒することが多い。またオセルタミビルと漢方を併用することによって、オセルタミビルの服用回数や、治癒までの日数を減少させる研究報告もある。
しかし体質に合わせて使用しないと、漢方と言えども、悪化させるから注意が必要である。

第114回 講演1│薬学教育におけるOSCE(Objective Structured Clinical Examination)の意義

実施日 平成20年3月6日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学薬学部臨床医学ユニット 准教授 小野真 一
薬学教育6年制では共用試験が導入される。本講演では共用試験のうち、OSCEの意義を卒前教育と卒後教育の2面から考えてみたい。

従来の見学型実習では臨床能力は身に付かないばかりか、数%居るといわれる患者とろくに話も出来ない医療従事者の卵をそのまま卒業させてゆくことになる。そこで、実習の観点が「資格(免許)を持たない者に実習させない」から「実習できない者に資格(免許)を与えない」となった。資格を持たない学生が参加型実習を行うにあたり、必要最低限の知識、態度と技能を身に付けていることを社会に担保する必要がある(薬剤師法第19条の違法性阻却)。知識はComputer-based testing(CBT)、態度と技能をOSCEで評価するわけである。自動車運転免許取得の際、路上教習を行うための仮免許に相当すると考えれば分かり易い。

本学では現在までに6回トライアルを実施している。本学の特徴はOSCEに必要な模擬患者に、地域住民の協力を得ていることである。一般の方の自然な会話が、OSCEをより実践に近いものにしているだけでなく、大学と地域住民とのふれあいにも一役買っている。学生へのアンケートでは「緊張する」が、「実務の流れが理解できる」、「自分に不足している点が確認できる」と大変好評である。

欧米ではOSCEの重要性は教育スタッフに周知徹底されている。OSCEへの評価者としての参加は、自分自身の技術を再チェックする絶好の機会でもあるからである。薬学部は直属の実習施設を持たないので、教員が大学付属病院や関連病院の臨床スタッフを兼務することはまず無い。これは、“社会のニーズに合った医療人の製造物責任”という医療系学部の使命を考えた時、社会のニーズを直ちに学部教育にフィードバック出来ないという欠点に繋がる。その一方、実習を受け入れる実務家は、教育手法に疎い。OSCEへの実務家の参加協力は大学教員と実務家の連携を促進し、薬学の欠点を相補し合うのみならず、卒後教育の一端、地域との交流をも担い得るものと多面的に捉え、取り組むべきである。

第114回 講演2│日本大学薬学部における実務実習(事前学習)の考え方と取組み

実施日 平成20年3月6日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学薬学部病院薬学ユニット 教授 中村均
薬学教育6年制では、大学での事前学習を含めた6ヵ月間の実務実習が必修化され、実務実習モデル・コアカリキュラム(コアカリ)を基本として実習が行われる。実務実習の必修化は、これまでの実務実習教育を充実・改善し、臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的にしており、医療現場で薬剤師業務を行うために必須な基本的知識、技能、態度の修得にある(実務実習モデル・コアカリキュラムの作成に関する小委員会報告、平成15年12月)。私は30数年の実務経験から、このコアカリの豊富な内容を6ヵ月間の短い実習期間で修得することは困難であると考えており、中途半端な実習になること危惧している。そこでコアカリの到達目標を、6ヵ月間の事前実習、事前実習修了後のアドバンスト実習、薬剤師免許取得後の卒後研修に区分し、修得度に応じた実習内容に修正することを要望したい。

近年、薬剤師が本務の調剤(注射剤も含み)で過誤を起こし、医療事故の当事者になっている事例が後を絶たない。しかも、調剤に関する基本的な知識不足が原因で、同じ薬剤で繰返し発生している。このため、特に大学での事前学習では、注意が必要な薬剤や一般的な疾患の薬剤について、常に患者を念頭におき、調剤に必須な基本的知識、処方薬剤のチェック事項、正確に調製できる技能・態度などを徹底的に修得させることが最も重要である。

調剤は、患者の病態、体質、社会的環境などの背景を考慮した処方鑑査、正確な薬剤の調製、適正使用のための情報提供、使用後の有効性と安全性の確認、これらの情報を臨床へフィードバックするまでの一連のサイクルをいう。このため、調剤は薬学・医学の知識と最新の医薬品情報などを集積した、科学的に裏付けられたものでなくてはならない。

本学における事前学習の到達目標は、医療における薬剤師の業務と責任を理解させ、本務である調剤を通して医療におけるセーフティマネージャーとしての基本を教育することが第一義であると考えている。
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