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平成22年度実施状況(第127~132回)



第127回│病院での実務実習(製剤、注射、混注業務、服薬指導を中心に)とこれからの薬剤師業務

実施日 平成22年5月13日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 総合病院国保旭中央病院 薬剤部長 浅井秀樹 氏
実務実習:今年度5月より、長期実務実習が開始となります。4週間の実習期間から11週間と2.5倍に期間が延長になり、実務実習モデル・コアカリキュラムにて参加型実務実習になりました。学生を受け入れる施設としての準備、指導の仕方、学生の実習の割り振りなど、検討する為の委員会をつくり活動を始めてきました。

今回、当病院での実習特に製剤、注射、混注業務、服薬指導について話し考えて行きたい。

これからの薬剤師業務:薬剤師を取り巻く環境が大きく変化してきています。薬剤師教育の年限延長(臨床教育の充実等)、専門、認定薬剤師の設置、診療報酬にもチーム医療の充実、チームの中に薬剤師が入る事(NST)など、薬物療法への貢献、(安全性の視点)と社会的にも薬の専門家として薬剤師に対する期待は高いものがあります。その期待に応える薬剤師になる為には、資質、知識、技能、を高める事はもちろんであるが医療人として患者の事を考え、薬の専門家としてチーム医療の中での関わりを考えたい。

第128回│チーム医療と薬剤師 —クリニカルパス最近の話題とともに—

実施日 平成22年7月8日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 新潟大学医歯学総合病院 薬剤部 主任 小野田学時 氏
最近の医療環境の変化は、薬剤師職能に大きな変化をもたらしている。従来の処方せんに基づく医薬品調製を中心とした調剤・製剤業務に加えて、外来化学療法、感染対策、栄養管理、緩和ケア、病棟関連業務そして手術室・ICU等で医療チームの一員として活躍する姿も珍しくない。また、新開発された医薬品は、疾病ごとに細分化された特徴を有し、きめ細かな投与設計、適正使用、副作用モニタリングを必要とするものが多く、専門的な知識、高度な技能が要求される。そのために、抗がん剤治療、精神科薬物療法、感染症治療等を始めとした専門薬剤師・認定薬剤師の育成も大きな課題となっている。

医療過誤の多くは医薬品に関わる事例も多数あり、治療効果はもとより安全対策の充実が叫ばれ、薬剤師の安全管理面での位置付けが診療報酬においても評価(医薬品安全管理責任者)され、その職能は多様化の一途を辿っている。

新潟大学医歯学総合病院では、特定機能病院を対象とした診療報酬の包括評価にあたって、平成13年から薬剤部がクリニカルパス委員会事務局として取り組んだ結果、クリニカルパス活動の浸透と共に「パスのことなら薬剤部」が定着、運用されている。我々のクリニカルパス活動において、薬剤部が担当した事務局業務は、導入そして運用を推進する段階では、広い意味でのチーム医療を形成したと考えている。今後、紙パスから電子化へ、また一施設内の医療・ケアのパスから多施設(連携病院・介護施設・保険薬局等)と共有する連携パスが、医療連携の強力なツールの一つとして着目されているが、全薬剤師の協働による新たなチーム医療としての展開が望まれる。

第129回│最近の関節リウマチの治療戦略

実施日 平成22年9月9日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 新都市医療研究会[関越]会関越病院 院長 田中政彦 氏
関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)は関節滑膜の炎症を主とする慢性炎症性疾患である。RAにおいては関節炎が進行すると、軟部・骨の炎症による破壊を介して関節機能低下を来たし、それが日常生活動作(activities of daily living: ADL)の障害を生じ、ひいては生活の質(quality of life: QOL)の低下さえも引き起こす。

以上の観点よりRAの早期診断、早期治療が提唱され様々な抗リウマチ薬の開発が行われて来たが、およそ10年ほど前までは必ずしも満足の行くものではなかった。1999年に今やRAのアンカードラッグとして世界中で使用されているmethotrexate: MTXが日本のRA治療の現場に導入され(メソトレキサート2.5mg錠が薬価収載されたのは1965年であるが、リウマトレックスとして抗リウマチ薬としての薬価収載もなり堂々と臨床で用いられるようになったのがこの年であった)、早期治療のストラテジーは少しずつ変化していった。そして2002年4月に我が国で初めての生物学的製剤である抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤が薬価収載となり、その後も生物学的製剤の薬価収載は順調に経過し、RAの治療戦略は画期的に進歩した。

生物学的製剤の有用性は様々な研究により明らかにされており、それらを適切に用いることにより関節破壊が予防できること、進行した症例に用いても寛解導入が可能なことが実証されてきている。生物学的製剤を用いたRAの治療はまだまだリウマチ専門医の管理下で実施すべき治療法の範囲を超えられてはいないが、この治療法は患者さんのADLやQOLを改善することに直結しており、今後は更に一歩進んで機能障害を残さないための治療戦略に進むべきなのではないかと考えられる。

第130回│いまさら聞けない感染症

実施日 平成22年11月11日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学薬学部微生物学ユニット 教授 井口法男
感染症infectious diseaseは、特定の病原体が引き起こす疾病の総称で、世界の死亡原因の1/3ないし1/4を占めるとされている。病原体としては、細菌、真菌、ウイルス、原虫に加え、寄生虫や昆虫も含まれるばあいもあり、特殊な例としては、裸のRNAや狂牛病で一躍有名になったプリオンタンパク質も感染症の病原体である。

従来、感染症は、疾病を引き起こす病原体がヒトの体内に侵入して起こると考えられてきた。したがって、感染症対策は、病原体の排除、撲滅が中心であり、抗生物質を初めとする抗感染症薬の開発とワクチンによる予防とが車の両輪となって展開してきた。これらはアステカ帝国の滅亡を初め多くの災厄を人類にもたらした天然痘を地球上から根絶するなど華々しい成果を上げ、ヒト対病原体の戦いは圧倒的に人類の勝利で終わるかのように見えた。

しかし、21世紀の今日に至っても経済先進国ではとっくに撲滅できたはずの結核や、一時は臨床上の興味を失わせるまで激減したマラリアが復活し、今なお毎年、数百万人の命を奪っている。また、エイズや多くのウイルス性出血熱などに代表されるいわゆる新興感染症も次々と登場してきている。インフルエンザの流行も抑えることができないでいる。経済先進国においては日和見感染や院内感染が問題となっており、特に薬剤耐性菌や耐性ウイルスの対策は臨床上やっかいな問題として横たわっている。

現在では、感染症は、寄生体(病原体)と宿主(ヒト)とのバランスが寄生体側に傾いたときに起こる疾病と捉えられている。病原体の特徴は、目に見えない、増える、変化するということであり、我々人間が複雑化、大型化することによって進化を遂げたように、単純化、小型化、変化することによって地球上で生き延びてきている。おそらく人類が存在する限り感染症はなくなることはない。病原体との共生ということも考えなければならないのかもしれない。この要旨を書いている最中に、ヒトへの感染力を獲得した強病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)がインドネシアで発見されたと報じられている。感染症は対応が遅れたり、誤ったりすると個人や社会に大きな影響を及ぼすことは先般の口蹄疫問題が示すとおりである。この機会にもう一度感染症について考えてみたい。

第131回│がんの痛みをいかに緩和するか 〜モデル患者による処方設計と、疑義照会のチェックポイント〜

実施日 平成23年1月20日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 沼津市立病院 副薬剤部長 真野徹 氏
がん治療の進歩は近年めざましく、がんにまつわるイメージも「不治の病」から「がんを抱えて生きる」へと変化を遂げつつある。

また、がん患者を支える「緩和ケア」においても、その捉え方に変化が現れ、右のイラストで示すごとく、従来考えられていたよりはるかに長いスパンで「緩和ケア」が必要とされてきている。

しかし我が国において「緩和ケア」の中核をなす「がん性疼痛治療」が十分に行われているとは言いがたい状況にある。過去の調査結果では、我が国の「がん性疼痛のコントロール率」は、40〜60%であり、適切な治療により「達成可能なコントロール率」の90〜98%を大きく下回っている。
わが国において「がん性疼痛のコントロール率」が上がらない原因の一つは、われわれ医療者が医療用麻薬の使い方に不慣れである点は否めない。
今回は、現場の薬剤師の立場から、がん性疼痛治療について医療用麻薬(モルヒネなど)の使い方を中心に、実践的な部分の解説を行いたい。

解説のポイント

  • 医療用麻薬の使い方のコツ、その副作用の対処法
  • 医療用麻薬の服薬指導におけるポイント
  • 疼痛の分類(医療用麻薬の効かない痛みなど)
  • 鎮痛補助薬について

第132回│お口のケアが全身を守る −歯周病と全身疾患との関連性−

実施日 平成23年3月10日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学歯学部衛生学講座 教授 前野正夫
わが国は世界有数の長寿国であるが、糖尿病、高血圧、心臓病などの生活習慣病の有病者数も増加傾向にある。近年、歯周病が全身の健康に様々な影響を及ぼすことが報告され、口腔と全身の健康とが密接に関連している根拠が明らかにされつつある。したがって、歯周病の予防は、単に口腔内に留まらず、全身の健康を視野に入れた生活習慣病の予防にも欠かせない要素の一つになっている。

糖尿病は慢性高血糖を主徴とし、種々の特有な代謝異常を伴う疾患群であり、放置しておくとしだいに腎症、網膜症、神経・血管障害などの合併症をきたす。糖尿病の怖さはこの合併症であり、歯周病もその一つに加えられている。そこで、「糖尿病が歯周病に」、「歯周病が糖尿病に」どのように関わっているのかについて解説したい。また、糖尿病以外の全身疾患として虚血性心疾患、呼吸器感染症、骨粗鬆症あるいは早産・低体重児出産と歯周病との関連性についても解説したい。

メタボリックシンドローム (メタボ) とは、内臓脂肪肥満に加え、高脂血症、高血圧、高血糖などの危険因子を併せ持つ状態を指す。近年の国民健康・栄養調査結果によると、40歳以上の日本人男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボあるいはその予備群であると指摘されている。最近、歯学部衛生学講座では、(公株) ライオン歯科衛生研究所との共同の疫学研究において、9都道府県の20〜60歳の職域成人約2,500名を対象に、肥満 (BMI: Body Mass Index)、高血圧、脂質異常および高血糖をメタボの指標としてCPI (Community Periodontal Index:集団における歯周疾患の状況を表す指標) との関連性を調べた。その結果、歯周病罹患者は、メタボ指標の陽性数が多いこと (J Pub Health Res 69, 248-253, 2009)、また、現在メタボでなくても将来のメタボ発症リスクが高いこと (J Periodontol 81(4), 512-519, 2010) が判明した。そこで、疫学研究データを基にこれらの関連性を解説したい。

本講演を通して、口腔ケアが全身の健康のためにいかに重要であるかを改めて認識していただくことを願っている。
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