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平成25年度実施状況(第145~150回)



第145回│片頭痛の臨床診断と薬物治療

実施日 平成25年5月9日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学医学部 脳神経外科学講座 教授 平山晃康
頭痛の診療は、一次性頭痛と二次性頭痛を鑑別するところからまず始まります。一次性頭痛であれば、片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛を鑑別し、二次性頭痛であればその原因を診断し、治療することが目標となります。日常の診療では頭痛が片頭痛か否かを見極めることが最重要課題であります。なぜなら、症状の改善を求めて医療機関を受診するのは片頭痛患者が圧倒的に多いからです。片頭痛は、頭の片側に起こることが多く、ズキズキと脈打つ激しい痛みが比較的急に起こって、音や光に敏感になり、吐き気や嘔吐を伴う事もあります。月に1〜2回、多い時で週に1回程度繰り返して起こります。頭痛は4〜72時間くらい持続して、自然に治ります。女性に多く、家族に頭痛もちの人がいると起こりやすくなります。アルコールは片頭痛を起こしやすくするといわれています。緊張性頭痛とは反対に、ストレスなどから解消されてホッと一息ついて気がゆるんだ瞬間、筋肉の緊張が解けたときに起こります。片頭痛の前兆として、視野が欠けたり、光がチカチカするような現象が現れることがあります。片頭痛の約3割は、早期に適切に治療しないと薬物乱用や加齢などで進行しで慢性化することが分かってきております。進行を抑制するためには、トリプタンなどの急性期治療薬と予防薬(デパケン等の抗てんかん薬など)をいかに適切に組み合わせることが重要です。予防薬は痛み刺激に感作された脳を鎮静化する効果があり、ここ数年で、保険で使える薬が増えています。

第146回│医薬品安全性情報の収集と評価 −疫学・統計学的な観点から−

実施日 平成25年7月11日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 東北大学大学院 医学系研究科医学統計学分野 教授 山口拓洋
近年、医薬品の開発・審査・承認後の調査に疫学・統計学の果たすべき役割が増加している。2005年 ICH E2Eガイドラインとして医薬品安全性監視計画の(承認前からの)作成・実施の重要性が問われ、2012年には医薬品リスク監視計画指針が発出され、リスク最小化計画や医療情報データベースの活用が強調されるようになった。
また、厚生労働省が推し進める医療情報データベース基盤整備事業や医薬品医療機器総合機構の電子診療情報等を安全対策へ活用する事業(MIHARI project)など、大規模なデータソースを用いた研究が盛んになりつつある。このような医薬品の安全性・有効性の評価やリスク管理の手段として、観察・疫学研究は必須であり、薬剤疫学や医学統計学の方法論の習得は医薬品を取り扱う研究者・実務者にとってもはや必然と言える。
本講演では、医薬品安全性情報の収集と評価における疫学・統計学の基本的な考え方について説明する。

第147回│医薬品の評価とレギュラトリーサイエンス

実施日 平成25年9月12日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 公益財団法人 先端医療振興財団 クラスター推進センター 統括監 森和彦
医薬品は有効性と安全性の2つの観点から評価が行われ、その評価結果を総合して医薬品として価値があるかどうかが判断される。世界どこでもベネフィットがリスクを上回ると判断されたものが医薬品として承認され販売される。医薬品が市販された後でもベネフィット及びリスクの証拠(エビデンス)は集積されるため、市販後も定期的にベネフィット・リスクのバランスを評価する事が求められるようになって来た。

日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)における議論により2012年12月に合意されたE2C(R2)ガイダンスは定期的なベネフィット・リスク評価を製造販売業者に求めると共にその評価結果を定期的に規制当局に報告するように求めている。この定期報告はPBRER(定期的ベネフィット・リスク評価報告)と呼ばれる。

我が国においても2013年5月17日に厚生労働省医薬食品局審査管理課より従来の安全性定期報告において提出を求めていたPSURをPBRERに置き換えるように通知しており、日米EU共に今後はPBRERに基づくベネフィット・リスク評価が定期的かつ継続的に行われる事になった。

このように医薬品の開発・承認審査・市販後の全ての過程を通じて一貫してベネフィット・リスクの評価が行われる際に必要となるのがレギュラトリーサイエンスである。医薬品領域での実践の場としては科学的な根拠に基づき効果や副作用を評価し、ベネフィットとリスクのバランスを判断する承認審査や市販後安全対策が該当する。科学的根拠は常に明確なデータとして得られるものばかりではなく、様々な限界があるのが一般的であるため、合理的な予測もまたレギュラトリーサイエンスのテーマである。最近の新薬の審査事例、市販後の安全対策事例を参考にしてベネフィットとリスクのバランスを論ずるレギュラトリーサイエンスの考え方を紹介する。

第148回│アルツハイマー病と治療薬

実施日 平成25年11月7日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本大学薬学部 薬理学研究室 教授 石毛久美子
アルツハイマー病(AD)は、認知症の1つに分類される神経変性疾患で、多くは孤発性であり、潜在性に発症し緩徐に進行する。ADにおける認知機能障害の中核的な症候は近時記憶障害で、中でも日々のエピソード記憶障害が特徴的であり、進行に伴い見当識障害や視空間認知症等が加わる。AD発症の最大の危険因子は「加齢」であり、超高齢化社会を迎えている我が国において、患者数は増加の一途をたどり、現在では、認知症の中で最も発症頻度が高くなっている。

我が国では、1999年に最初のAD治療薬としてアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬のドネペジルが認可された。その後、しばらくはドネペジルが唯一の治療薬であったが、2011年になり、ガランタミン、メマンチン、リバスチグミンが相次いで認可され、現在は、4つの薬物が治療に使用できる。ガランタミンおよびリバスチグミンは、ドネペジルと同様にAChE阻害を主な作用機序とするのに対し、メマンチンは、グルタミン酸NMDA受容体チャネル阻害薬である。このように作用機序の異なる薬物も登場したが、これらの薬物はいずれも根治を可能にするものではない。

ADの病理学的な特徴として、アミロイドβタンパク質(Aβ)の凝集塊からなる老人斑の形成、タウタンパク質が神経細胞内で異常重合した神経原線維変化、および神経細胞の脱落による脳の萎縮が挙げられる。最近の研究は、認知障害出現のかなり以前から脳内に老人斑が出現し始めることを明らかにし、この老人斑を可視化するアミロイドイメージングの技術も開発されて診断精度の上昇に貢献している。しかし、一方で、ADの根治療法が確立されていない現状では、診断技術が先行して向上するというジレンマをもたらすことにもなっている。講演では、ADについて最近の話題を含めて紹介する。

第149回│子どものメンタルヘルス −薬物療法とコミュニケーションの視点から-

実施日 平成26年1月16日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 日本医科大学付属病院 精神神経科 准教授 斎藤卓弥
近年、子どもの精神疾患に対する重要性への認識および関心が高まるにつれ、児童青年期精神科領域における向精神薬の処方も増加している。海外の報告では児童思春期期における精神科疾患の有病率は高く、WHOは児童思春期のQOLに影響する疾患として現在は感染症がトップに挙げられているが、20XX年には精神疾患がトップになると予想している。一方で、子どもへの向精神病薬の処方には複数の懸念材料がある。まず、本邦では子どもへの適応を持つ向精神薬は、メチルフェニデート徐放剤、アトモキセチン、ピモジドの3薬剤に限られていることである。特に本邦で臨床試験を行って有効性と安全性が担保されている薬物はコンサータとストラテラのみである。その他の薬物に関しては現時点ではすべて成人での承認を基に適応外として処方されている。海外の臨床試験の結果では、成人に有効な薬物が子どもでは有効ではないことや成人とは異なる有害事象の出現が認められることが明らかになってきている。

一方、子どもの向精神薬が処方されることで当初予期せぬ混乱も出現するようになってきている。現時点で子どもによく処方される向精神薬として注意欠如多動性障害(ADHD)の治療薬、抗精神病薬、選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)がある。注意欠如多動性障害の治療薬は子どものADHDへの適応が承認されており医師の処方の意図が理解できないことが数少ない薬剤といえる。抗精神病薬が子どもの処方された場合、処方内容だけで医師の処方の意図を予想することはほとんど困難である。

このようなことから、本講演では、代表的な薬物について医師の処方意図とその留意点について解説する。

第150回│災害時における薬剤師の役割 東日本大震災への医療支援の経験から -急性および亜急性期-

実施日 平成26年3月6日(木曜日)18時00分〜20時00分
講師 愛媛大学大学院 医学系研究科救急医学講座 教授 相引眞幸
本講演では、災害時における薬剤師の役割について議論する。講演者は、2011年3月11日に起こった東日本大震災に、文部科学省の要請により4月4日より10日まで、震災の亜急性期における医療支援のため多職種の11名で、宮城県石巻市に赴いた。現地では、石巻日赤病院と連携し、各避難所の巡回診療と、避難者約800人の渡波(わたのは)小学校での外来診療およびその中の避難所巡回を行った。隊員の内訳は、医師3名(循環器、精神、救急)、看護師3名、薬剤師1名、調整員2名であり、発災後約一ヶ月を経過した時点での医療支援のあり方として、多診療科、多職種のチーム構成が、極めて現地ニーズに即していた。特に、薬剤部の支援により、携行薬剤の充実と薬剤師の活動が、現地診療を迅速かつ有効にした。一方、DMAT (Disaster Medical Assistance Team)は、災害時の、主に超急性期の医療支援隊で、医師、看護師、業務調整員(救急救命士、薬剤師、放射線技師、事務員等)を含む通常5名で構成される自己完結型のチームである。その業務調整の内、薬剤の管理、調達なども、災害現場での迅速な医療対応には不可欠である。以上のように、災害時における薬剤師の役割は今後とも拡大するものと考えられるため、薬剤師の積極的な参画が期待される。
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