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生涯教育
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平成30年度実施状況(第175回~)



第175回|胃がん診療最前線〜予防・検診と集学的治療〜

実施日 平成30年5月24日(木)19時30分~21時00分
講師 茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター
消化器内科 部長 天貝 賢二 先生
最近20年程で、胃がんの診療は大きく進歩した。いくつかのトピックスについて紹介する。①疫学、予防、検診:1980年代に発見されたH.pylori(Hp)が胃がんの明確な発がん要因と指定され、先進国ではその感染率の低下とともに胃がんの罹患率・死亡率が低下している。Hpの感染診断と除菌治療による胃がん予防の研究が多数行われ、その効果も徐々に明確になりつつある。胃透視による検診にて胃がん死亡減少効果が証明されたが内視鏡検診もその有用性が証明された。②早期癌の内視鏡治療と内視鏡治療後の再発予防:早期がんの内視鏡治療が進歩し、径2cmまでの分化型粘膜内がんから適応拡大が図られ、胃を温存して根治を目指せる症例が増えつつある。また異時多発がんが問題になるが、Hp除菌によりそのリスクが1/3に低下することも証明された。③腹腔鏡下手術と腹腔鏡・内視鏡合同手術:胃がんにおいても腹腔鏡手術が導入され、開腹に劣らぬ効果と安全性が確認されつつある。また、粘膜下腫瘍や一部のがんに対して腹腔鏡と内視鏡の合同手術が開発され、低侵襲で確実な治療として普及している。④切除不能進行・再発胃癌の化学療法と術後補助化学療法:1990年代後半から新規抗がん剤が開発され、5FUとCDDPに限られていた治療から選択肢が拡がった。臨床試験により標準治療が確立され、さらに有効な薬剤・分子標的薬の開発により無増悪生存・全生存期間が延長されている。⑤集学的先進医療、免疫チェックポイント阻害薬:根治切除不能な腹膜播種を伴うがんに対して、腹腔内投与を組み合わせた化学療法などが先進医療として開発されつつある。また、免疫チェックポイント阻害薬も胃がん三次治療に承認され、さらに治験が進んでいる。⑥緩和ケア:近年新しいオピオイドが開発され、がん性疼痛に対する選択肢が拡がった。内視鏡やIVRを利用した処置、放射線治療による疼痛緩和や出血予防など器具や技術の開発も緩和ケアに果たす役割は大きい。
以  上

第176回|高齢者薬物療法の適正化 ~ポリファーマシー対策と薬剤師の役割~

実施日 平成30年7月11日(水)19時30分~21時00分
講師 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 
薬剤部 溝神 文博 先生
高齢者では、薬物動態や薬物反応性が成人とは異なり薬物有害事象が問題となりやすい。また、生活環境が服薬にも影響を与え薬物療法の問題を複雑にする。その中で、ポリファーマシーをどう捉えるかが重要である。ポリファーマシーは、「poly」+「pharmacy」で多くの薬を示す造語である。以前のポリファーマシーに対する議論は服用薬剤数に関するものが多く、海外では5剤以上、日本では薬物有害事象の発現頻度が6剤以上で上昇する報告から6剤以上をポリファーマシーとして議論されてきた。しかし、厚生労働省は、2017年4月より「高齢者医薬品適正使用検討会」を組織し「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」を作成した。本指針において多剤服用の中でも害をなすものを特にポリファーマシーと呼び、薬物有害事象や服薬アドヒアランスの低下、不要な処方、あるいは必要な薬が処方されないことや過量・重複投与など薬剤のあらゆる不適切な問題がポリファーマシーであるとしている。そのため、何剤からポリファーマシーとするか厳密な定義はせず、患者の病態・生活・環境など患者背景により適正処方かどうか判断するべきであり包括的な対応が求められる。ポリファーマシー対策は、医師・薬剤師間の連携が中心になるが、問題が非常に複雑となることが多いため、多職種協働によるアプローチが求められ、詳細な処方情報、処方意図とともに患者背景や暮らしの評価などを行い、服薬支援も同時に行うことが重要である。さらに、ポリファーマシーは医療従事者だけの問題ではなく、患者・家族・介護者にポリファーマシーを正しく認識してもらうことも必要である。本発表では、当センターでの取り組みをもとに高齢者薬物療法の適正化を行うための薬剤師の役割を取り上げたいと考える。
以  上

第177回|血友病治療の最前線

実施日 平成30年9月18日(火)19時30分~21時00分
講師 松戸市立総合医療センター
副院長兼院内感染対策室 小森 功夫 先生
血友病は先天性の出血性疾患で、血液凝固第Ⅷ因子の欠乏が血友病A、血液凝固第Ⅸ因子欠乏が血友病Bと呼ばれます。日本国内には約6500人の患者さんがいます。(血友病Aが5326人、血友病Bが1129人。平成29年度血液凝固異常全国調査)X連鎖性劣性遺伝で大部分の患者さんは男性です。現在では、適切な治療を受けることにより、出血することも少なく、日常生活に支障なく過ごせるようになっています。
今回の講座では、血友病とはどのような疾患か、血友病治療の歴史と現状についてお話します。
血友病は血液凝固第Ⅷ(Ⅸ)因子の欠乏により、凝固障害がおこり、止血が困難になります。血液凝固第Ⅷ(Ⅸ)因子を注射することにより止血を図ります。
出血部位は、皮下、関節内、筋肉内、頭蓋内など内出血が多くみられます。出血による後遺症を防ぐため、できるだけ早く注射し止血させることが大切です。
1970年代には、凝固因子の濃縮製剤が使えるようになり、少ない液量で十分な凝固因子を補充できるようになりました。また、自己(家庭内)注射も可能になり、出血後短時間で注射が可能となりました。しかし、出血してからの注射では、後遺症を防ぎきれないことがわかってきました。現在では、出血することないよう、週に1~3回注射する定期補充療法が主流になっています。定期補充療法により、スポーツも出血することなくできるようになりました。
この数年、新しく半減期延長型の製剤が複数発売されました。今後もこれまでと全く異なる製剤が使えるようになりそうです。従来型の製剤を含めどの製剤を使うかは、患者さんの製剤に対する反応、活動性などを考慮して決めることが大切です。
血友病治療の合併症として重要な、インヒビター保有患者の治療についてもお話しします。
以  上

第178回|医師ともっと話せるようになるための基本的臨床医学知識(呼吸器編)

実施日 平成30年10月25日(木)19時30分~21時00分
講師 社会医療法人三愛会 大分三愛メディカルセンター 
薬剤部長 山田 雅也 先生
多くの薬剤師にとって、「病態を理解したうえで医師と連携し薬物療法を支援している」というのは、目指す薬剤師像と言えると思います。ただ、致し方ない事なのですが、薬理作用からスタートして臨床を学んでいることなども影響して、病態生理を理解することに苦労している薬剤師も少なくないと思います。この現状は、言いかえると、従来、薬剤師は薬物療法を医師と異なる立場で共有しているにもかかわらず、そのパートナーともいえる医師と患者の病態について会話(情報交換)するために必要な基本的臨床医学知識(薬学部では習わない研修医レベルの医学知識)の習得に個人差が生じてしまっているということです。これは、出来るだけ早く解消する必要がある問題だと思います。なぜなら、私は、基本的臨床医学知識は文字通り「基礎」であるので、しっかり習得することで、薬局・病院を問わず、また、どの疾患領域を専門としている薬剤師も知識体系の土台が強固になり、今以上に社会に貢献できると考えているからです。
基本的臨床医学知識は医師のみ会得している理論体系なので、医師だけが話せる言語、いわば医師語のような物と表現することができると思います。言語なのですから、おそらくマスターするには早い方でも数年間の継続した研鑽が必要となります。よって、その全てを今回の研修会で解説することはできません。そこで、本研修会では基本的臨床医学知識のほんの一端ではありますが、呼吸器領域にテーマを絞り、基本的な生理・解剖をストーリー性(理論)を重視して解説した後に、我々にとって日常的にかかわる疾患である慢性閉塞性肺疾患(COPD)をモデル疾患にあげて、その病態生理を生理・解剖と関連づけながら、解説していきたいと考えています。当日は、参加者の方々に基本的臨床医学知識を学ぶキッカケとして頂けるような時間を提供できるように準備してまいりますので、多くのご参加をお待ちしております。
以  上

第179回|薬剤師に何故フィジカルアセスメントが必要か?フィジカルアセスメントの第一歩

実施日 平成31年1月11日(金)19時30分~21時00分
講師 日本大学薬学部臨床医学研究室教授 鈴木孝
患者さんが体の不調を訴えて直接薬を求めて薬局を訪れる場合でも、身体的・精神的な不調を訴えて医師を訪れる場合でも、何らかの主訴(徴候)を持って受診する。薬局の場合には、問診をして必要があればフィジカルアセスメント(血圧測定(自動血圧計を用いた)、時には体温測定など)を行い、医師であれば、更に原因検索のための診察、必要があれば諸検査を行って診断に近づけていく。そして、(確定)診断が付いて薬物治療が必要であれば、処方箋が発行される。患者さんからすると、(処方された)薬を受け取るところからスタートしていない。また、在宅患者さんのことを考えても、処方された薬の効果判定、有害作用の出現、新たな疾患の出現など、薬の専門家である薬剤師が行える範囲内のフィジカルアセスメントを使って、病態を把握しなくてはならない。すでに2010年に、厚生労働省医政局長より「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」ということで、“薬剤師は薬物治療を受けている患者(在宅の患者を含む)に対してTDMやバイタルサインの確認、必要に応じてフィジカルアセスメントにより副作用や有効性を確認しての処方を積極的に提案すること、医師の了解を得た上での打診、聴診、心電図解読などにより薬剤の薬学的管理指導を行って、薬剤の効果や副作用の発現などについてチームのメンバーと十分に情報・意見交換をして、個々の患者に適切な処方を提案する。”が通達された。
これらの背景を考えて、講演では、薬剤師が行える医療行為の範囲、現在、大学教育の中で行われている患者情報の把握、病院実習の中で経験する多職種連携(チーム医療)、千葉県薬剤師会、日本大学薬学部(プレ実務実習)で行っているフィジカルアセスメントについて紹介する。
薬剤師の方々が患者さんの疾患の病態把握を把握して、患者さんと薬との関係の中で主導的な立場を取るための一助になればと思って講演を致します。

以  上
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